Title: 堀 浩一 の ひとりごと



2016年9月6日
 ちょっと恥ずかしいのですが、私に対するインタビューの記録「日本における人工知能をめぐるオーラルヒストリーVol.2」が公開されました。


2015年1月11日
 僕らが助教授や教授にならせてもらった頃はまだ、人事審査において「代表的な業績とその国際的な評価」という項目の相対的な重みが大きかったと思うのですが、最近は(うちはまだましだと思うけど多くの組織において)発表論文の数とか獲得した研究予算の額とかの数字で表される項目の相対的な重みが大きくなっているようです。これは力士にたとえるならば、相撲の強さではなく、大食いで、たくさん排泄する力士ほど良いと評価しているようなものですな。。。
 でも、まあ、研究者同士は、誰が何をやっているか、案外ちゃんと見ているものですから、中堅・若手の研究者の皆さんには、数字にとらわれず、自分のやりたい仕事をやっていただきたいと思います。揺り戻しが来て、「数字重視が行き過ぎた、これからはもっと質を重視しよう」ということになるのではないかと思いますよ。


2014年11月27日
「人工知能とは」という項目に、次のような追記をしました。
人工知能が人間の知能を完全に超えてしまうtechnological singularity(技術的特異点)の可能性について述べたカーツワイルは、そのような人工知能の研究を積極的に進めるべきだという立場に立っていますが、そのようなstrong AIの危険性に対する防御策についても言及しています。その防御策とは次のようなものです[1]。
「「非友好的な」強いAIからの保護: … 本質的に、強いAIからの完全な防御は不可能だろう。まだあまり議論されていないが、わたしは科学やテクノロジーの漸進的な進歩にたいして開かれた自由市場を保ち、市場にその進歩の各ステップを承認させることが、テクノロジーに一般的な人間の価値観を織り込むための最適の環境を生むだろうと信じる。先に指摘したように、強いAIは多くのさまざまな活動から生まれ、文明社会のインフラに深く組み込まれていく。実際、強いAIは人間の体や脳にまで密に組み込まれるだろう。とすれば、強いAIは人間の価値観を反映するだろう。それがわれわれ自身になるからだ。これらのテクノロジーを政府が極秘に抑えようとしても、必ず地下にもくった開発を生み、危険な利用がはびこる不安定な環境を生みだすことになる。」
これに対して私がどう考えるかと申しますと、残念ながら現在すでに「科学やテクノロジーの漸進的な進歩にたいして開かれた自由市場を保ち、市場にその進歩の各ステップを承認させることが、テクノロジーに一般的な人間の価値観を織り込むための最適の環境を生む」というのが成立していないように見受けられるので、技術屋として、それが成立するような仕組みを作りたい、ということになると思います。
[1] Ray Kurzweil: The singularity is near: When humans transcend biology, Viking Penguin, 2005. レイ・カーツワイル著、井上健監訳、小野木明恵・野中香万子・福田実共訳: ポスト・ヒューマン誕生: コンピュータが人類の知性を超えるとき、NHK出版、2007.


2014年10月7日
 僕の同級生にも「一瞬青色に光った。でも連続して光ってくれない」と苦労していた連中がいたりします。青色発光ダイオードの実現をめざして苦闘しながら失敗を重ねてきたすべての研究者を含めて祝福されていると思っていただければ嬉しいと思ったりします。「流行りにとらわれず、本当に自分のやりたいことをやりなさい」という赤崎先生のメッセージ、素晴らしいですね!


2014年5月14日
 人工知能倫理(AI Ethics)について
という項目を追加しました。


2014年2月22日
 工学と理学の違い
という項目に少し追記しました。


2013年10月3日
 人工知能学会誌Vol.28, No.5 (2013年9月) に掲載された「人工知能とは」という解説記事の草稿を、人工知能学会の許諾を得て、掲載しました。


2013年5月18日
 集合知とは何か - ネット時代の「知」のゆくえ について という項目を追加しました。
 西垣 通 著「集合知とは何か - ネット時代の「知」のゆくえ」(中公新書、2013年)を読んで考えたことを書いてみました。


2013年5月12日
 人工知能研究などの最先端の研究開発に対して人々が抱く不安や期待について、かなり深くしかも長期的に議論していくための場、のようなものを作りたいと考えておりました。そのためにこのサイトを大幅に改造することを年初から検討してきたのですが、結局、議論に参加してくださる方の認証が簡単なfacebook social pluginをこのサイトに付加するという方法をまずは採用してみることにしました。
 すでに、「機械が心を持つようになるか」「機械との競争について」などの項目で議論が始まっています。よろしければ御覧になってみてください。そして御質問や御意見がございましたぜひ御記入いただければと存じます。


2013年3月30日
 3月26日に学部の卒業式がありました。下は、航空宇宙工学科長としての祝辞です。facebookに載せたら、想定外の反響がありましたので、ここにも載せておこうかと思います。

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卒業おめでとう!
皆さんはこれまでは基本的に学科の用意したカリキュラムに沿って勉強してきたわけですが、これからは自分の進む道を自分で考えていただくことになります。
社会のために何ができるか人々のために何ができるか愛する人たちのために何ができるか世界のために何ができるかじっくり考えてください。
その時にまわりにどう思われるかなど気にする必要はありません。また、「どうせなら高く評価されたい」などとも考えないでください。
高く評価されることはめざすべき目標ではありません。評価は結果として付随的についてくるものです。世の中の評価軸は変化します。皆さんが何かを一生懸命にやることで世の中の評価軸も変えてしまってください。
社会のために役に立つ道はさまざまです。リーダーとして活躍したい人も組織の一員としてがんばりたい人も一匹狼でやって行きたい人もいるでしょう。
自分が何を本当にやりたいのか何ができるのか、他人のことは気にせず、しっかり考えてください。あせる必要はありません。じっくり考えてください。
皆さんは間違いなく優秀です。僕が保証します。世界のどの国のトップレベルと比べても間違いなく優秀です。皆さん一人一人独自の道を歩んでいただけたらと思います。
皆さんが何をやってくれるか楽しみにしています。僕ら教員も応援します。
がんばってください。
今日は本当におめでとう!


2013年1月1日
 あけましておめでとうございます。
 今年もよろしくお願い致します。
 例年冬休みにはプログラミングを楽しんできましたが、今回もまた自作のKNC(Knowledge Nebula Crystallizer)を改造しようとしています。2010年版のKNC10を対話的授業のために自分の講義の中で試みに使ってみましたら予想以上に面白くて学生の評判も良かったので、本格的に講義用の改造をやってみようと考え始めました。せっかくやるなら、ここ数年考えている今後の工学の姿と合わせたいと考え始め、ちょっと問題が大きくなったので、まだスペックを固めきれないでいます。しばらく時間がかかりそうです。今後の工学の姿のほうにつきましては、とりあえず人工知能研究の文脈において今から解説論文を書いて本年9月号の人工知能学会誌(慶應の諏訪さん企画の特集)に掲載していただく予定です。


2012年10月9日
 山中先生のノーベル賞受賞会見、一部をニュースで拝見しただけなのですが、素晴らしかったですね。「感謝」と「責任」。あれだけ「責任」について明確に語られた受賞者は案外少ないような気がいたします。


2012年9月7日
 公立はこだて未来大学教授松原さんたちの研究プロジェクトがいくつかのメディアで紹介されています。

「コンピュータは星新一を超えられるか」 人工知能でショートショート自動生成、プロジェクトが始動

 この種の研究は、ひとつ間違えるとすごくいかがわしいものになってしまう恐れがありますが、中島さんと松原さんが責任者なのだから、大丈夫でしょう。
 紹介記事のタイトルの「コンピュータは星新一を超えられるか」ですが、星新一ファンでなくとも、コンピュータに星新一を超えてほしいと思う人は、ほとんどいないでしょう。
 でも、「自転車に乗った星新一」が「歩く星新一」よりも「速い」のは明らかですよね。
 創造的活動というのは、さまざまなプロセスが統合されて成り立っている活動です。そのどの部分をコンピュータにどのように分担させることができるのか、どの部分をコンピュータがどのように増幅できるのか、どの部分をコンピュータがどのように支援できるのか、というようなことが研究テーマになっています (詳細は、堀 浩一:「創造活動支援の理論と応用」、オーム社、2007)。

 この松原さんたちの研究プロジェクトのメンバーの法政大学教授の赤石さんはつい最近まで我々の研究室の准教授でした。 赤石さんの技と名古屋大教授の佐藤さんの技を結びつけるとかなり面白いものができそうだと、期待します。


2012年3月22日
 今日は、学位授与式です。韓国からの留学生イ・スンジュ君がさきほど修士課程修了の挨拶に来てくれました。
 スンジュ君いわく「韓国の先輩の話だと、会社に入ってしばらくすると、みんな博士をとりたくなるそうです」。
 韓国の会社では、博士をとると地位があがり、給料もあがるのだとか。
 韓国の発展の原動力ですね。日本の会社でもそうなってほしいものです。
 「立派な修士論文を仕上げたスンジュが近い将来博士課程に戻って来るなら大歓迎だし、アメリカやヨーロッパで博士をとるのもいいだろうし、いずれにしろスンジュが今後世界を相手に活躍すること間違いなし。」が、僕からスンジュ君へのお祝いのことば。


2012年2月7日
 昔々、まだ自宅にインターネット環境がまったく無かった助教授時代。大学で朝一番にメールを見ると雑用を始めてしまうので、午前9時まではメールを見ずに研究をする、と決めていました。その頃は若くて元気だったので朝7時には大学にいました。今やすっかりおじさんになって、朝起きたらすぐにメールの処理をしないと仕事にならなくなってしまいましたが、問題はfacebookですね:-) メールだけでなくfacebookも覗いてしまうと、朝一番からついつい面白そうな話題に頭が持っていかれてしまいます:-) これはいかんかも。


2012年1月2日
 2011年の年末から2012年の年始にかけてプログラミングに没頭しておりました。作業記録を見ますと、75時間くらいプログラミングしていたようです。しっかり、楽しみました。
KNC11(Knowledge Nebula Crystallizer 11)を改造して、KNC12を実装しました。 KNC11と同様に、Ruby on Rails & MySQLでの実装です。
 読者の御興味の推定位置と御興味の移動予測を2次元空間に表示するようにしてみました。
 空間の初期配置を求めるために、固有ベクトル等の計算を行うのですが、これはrubyで新しく作るのが面倒だったので、以前にJavaで作ったKNC10の機能の一部を利用しました。
 空間の表示にはhtml5を初めて使ってみました。これは思ったよりもずっと簡単でした。(本当は、もっときれいな表示にして、空間中にリンクも浮かべたかったのですが、それはやや面倒そうなので、宿題として残したいと思います。)
 御興味の位置推定と移動予測には、うちの研究室の佐藤真君と一緒に作成中の、新しい理論を応用してみました。その新しい理論については、まもなく佐藤君が論文に書くと思います。
 まだ、表示が汚くてバグもあると思いますが、よろしければ御覧になってみてください。(今、御覧いただいているこのページがそうです。ただし、Internet Explorerには対応しておりません。)


2011年11月8日
 「人工知能学会創立25周年にあたって」という項目を追加しました。


2011年11月2日
 「僕が欲しい携帯デバイス」という項目を追加しました。


2011年10月12日
 今年はノーベル賞の季節が静かに過ぎて行きました。ノーベル賞に対する僕の考えは、「評価 から 解説 へ」という項目に書いてあります。


2011年8月2日
 「震災後の工学は何をめざすのか」(東京大学大学院工学系研究科緊急工学ビジョンワーキンググループ)という小冊子をもらいました。
 私は作成に関わっていないのですが、地震後ずっと土日も休まずにその作成の作業を行っているということを関係の先生からうかがっていました。
 薄い冊子ですが、最近見かけたものの中では、最も良質の情報が詰まっているお薦めの冊子だと思いました。
 Web版も公開されているようです。これです。


2011年7月28日
 OSをバージョンアップすると、たいてい、自作のソフトや開発環​境に問題が生じ、その対策に時間をとられることになります。それ​はそれで楽しいのですが、僕の場合、論文書きやプレゼンテーショ​ンも自作ソフトなので、事は重大です。残念ながらこの夏は時間が​とれそうにないので、当分の間、Mac OS X Lionはおあずけです。


2011年7月14日
 facebookに加えて、google+も使い始めてみました。
 ユーザインタフェースの細かな心配りで、google+のほうがfacebookよりも優れているのは明らかなような気がしてきました。
 あとは、「google+の非対称のサークルの思想」 vs 「フェースブックの対称の友達の思想」の勝負ということになるのでしょうか?
 実際には、思想の勝負ではなく、いろいろなサービスのインテグレーションの総合力の勝負ということになりそうな気もします。
 少なくとも日本においては、gmailその他のサービスの延長上でgoogle+が勝つのかもしれないという気がしてきています。
 私の個人的な興味で申せば、google+もfacebookも投稿の中身にはまったく踏み込めていないように見受けられますので、AI研究者が本気で投稿の中身にまで踏み込めば、その次の新しい世界を切開ける可能性は大いにあるように思います。たとえば、友達の投稿コンテンツに次々にみんなで改変を加えてコミュニティで作品を編み上げていくような仕組みなどです。人工知能学会誌8月号にそのような話題で特集が組まれる予定です。


2011年7月6日
 原子力安全神話に国民がひどい目にあわされたのに、マスコミは懲りずに今度は再生可能エネルギー神話の神輿の片棒をかつごうとしているのではないかと、心配でしかたありません。
 再生可能エネルギーの活用は、おそらくは、避けて通れないでしょう。であればこそ、いい加減な報道をしないで、その光と影の両面をきちんと正確に伝えるべきだと思います。
 電力の安定供給の問題はもちろんですが、それ以外にも、直流系統が家庭に入り込む時の安全性の問題やら何やら電力システムの専門家はいろいろな問題を知っているようです。しかし、それらが我々には伝わってきません。大規模停電の確率とか、直流系統が家庭に入ることによる火災発生の危険性の増加とか、再生可能エネルギーの役割を増やした時の問題点について専門家にしっかりと取材して正確に伝えてほしいように思います。電力屋さんたちは今なんとなく悪者にされていて元気がないような気がします。正確なことを言おうとするたびに守旧派抵抗勢力扱いされるのでは、発言する気力も失せてしまうでしょう。神話から別の神話に乗り移ることなく、正確で精密な議論をすることが今求められていると思います。


2011年6月21日
 技術者ならば皆さん感じているけれどもまだあまり書いていらっしゃらないのではないかと思うことのひとつ。
 今回の原発事故で明らかになったのは、緊急時の組織形成、意思決定システム、情報伝達システム、放射線に強いロボット等々、ごく乱暴な分類をするならば軍事技術に分類される領域で、日本が圧倒的に弱いこと。これは、第2次大戦以降戦争をしてこなかったことの当然の帰結で、ずっと戦争をしつづけているアメリカに遠く及ばないのは仕方のないことであり、誤解を恐れずに言うならば、ある意味で誇りとすべきことなのかもしれません。平時において有事の対応を考えることの大切さを思い知らされた以上、あくまでも平和利用の範囲において、我々も有事のシステムの研究開発を今までよりは今後やっていくことになるでしょうが、しかし、今回の原発事故を見ていて痛感したのは、原発事故でこうなのだから、万が一にも戦争になったら日本はもたないだろうということです。第2次大戦以降65年間軍事研究をやってこなかったギャップは絶対に埋められるはずがなく、軍事に属する諸領域で日本がトップレベルに追いつくことはないと思います。今痛切に思うことのひとつは、どんなに姑息な外交手段を用いようとも、戦争だけは避けなければ日本は生き残れないであろうということです。
 関東大震災以降に軍部が力を増していった歴史的過ちを繰り返してはいけません。 杞憂だとは思いますが、合理的と思えない言説や行動がこのところ少し増えているように見受けられることを危惧致します。

追記: 2011年6月22日
 facebook上でいくつかコメントを頂戴しました。複数の方から頂戴したコメントを要約するならば、軍事技術でない有事対応システムを考えることはできないのだろうか、ということになると思います。
それに対する(facebookでの)私の回答の一部をここにもコピーさせていただきます。
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 あくまでも平和利用の範囲において、それを考える必要はあるでしょう。
 ただ、歴史的にそれは軍事と密接に関係していた領域であること、戦争をやらないのであればそれらのシステムを維持するのが経済的に難しくなるという経済システム上の問題、等々の問題を広く深く考えなければならないだろうと思います。
 有事の際だけに役立つシステムというのは平和な国で維持するのは難しいので、平時にも役立つ有事/平時両用のシステムを狙うというようなことになるのではないかと思います。
 アメリカ的な軍事研究に基盤を置く有事対応システムとは異なるシステムについて、独創的な発想が求められていると思います。
 技術的には、うちの荒堀が修士論文で提案したpersonal satellite network(個人用人工衛星ネットワーク)なども要素の一つになりうるかもしれません。
 技術に加えて、法、社会、文化、等々幅広く連携して研究していく必要があろうかと思います。
 しつこいですが、それが全体主義的な動きに決して結びつく事がないよう、注意が必要だと思います。


2011年6月4日
 人工知能学会全国大会が6月1日から3日まで盛岡で無事開催されました。
 私のホームグラウンドの学会です。今年も多くの人といろいろなディスカッションをすることができました。
 大会期間中の6月2日に人工知能学会功績賞という賞を頂戴しました。支えてくださった皆さんのおかげです。ありがとうございました。


2011年5月20日
 東京大学学術俯瞰講義のリーフレットをもらいました。
 学術俯瞰講義というのは、小宮山先生が総長の時に始められた試みで、(私の解釈では、)細分化された学問領域を深く掘り下げるだけでなく、学問どうしが横にどうつながっているのかを学生の皆さんに示してみせようというものです。
 私も2007年冬の「情報が世界を変える - 技術と社会、そして新しい芸術とは」というシリーズの構成をお手伝いさせていただいたことがあります。
 うかつにも知らなかったのですが、この学術俯瞰講義の一部のビデオが誰でも見られるようになっているのですね。少し見てみたら、知的好奇心を刺激されて、すごく面白い。特に専門の遠い文科系の先生方の講義を面白く感じます。
 なかなかリッチな内容が詰まっていて、すごく面白いので、これを僕のKNC(Knowledge Nebula Crystallizer)で液状化してみたい。時間がある時にこっそりやってみようかなと思います。もしうまくいくようだったら、御担当の先生に御連絡して公開を試みることができればなどとも思います。
 東京大学学術俯瞰講義のホームページは、http://www.gfk.c.u-tokyo.ac.jpです。そこからたどって講義のビデオを見ることもできます。


2011年5月10日
 2011年度人工知能学会全国大会は、予定どおり6月1日から3日まで盛岡で開催されることになりました。 http://www.ai-gakkai.or.jp/jsai/conf/2011/ann-decide-hold-conf


2011年5月6日
 僕がfacebookをはじめとするsocial network systemにどうも興味が持てない理由は、人と人とのつながりのネットワークよりもことばとことばのつながりのネットワークのほうがずっと面白いと思うからかもしれません。(2011年7月7日追記: その後、 facebookはしっかり活用するようになってしまいました:-) 1年に1回年賀状のやりとりだけしていた知合いや教え子たちと、 毎日年賀状のやりとりをしているような気分です。)
 とりあえず現在のsocial network systemでは、基本的にはともだちかともだちでないか、という関係しか扱われていませんが、それに比べて、あることばとあることばに関係があるかどうかを考えだすととまらなくなり、どこまでも楽しめます。ことばとことばに関係があるかどうかは文脈に依存し、ことばとことばに関係をつけると文脈が生まれる、という循環が存在します。
 3月31日のひとりごとに書いた「KNCの原理という項目で、plugとsocketというキーワードベクトルについて言及しましたが、その理論的な意味について考え直しているところです。自分専用の発想支援ツールの場合と不特定多数の人に公開するシステムの場合とで、同じなのか違うのか。。。」という問いへの現在のところの暫定的な答えは、「理論的にはどちらの場合も同じ。可能な多重文脈の重なりによって定まる。可能な多重文脈と表現ユニット間のつながりとは循環するので、plugとsocketも循環的に変化しつづける。」というものです。さらに考えてみたいと思います。


2011年5月1日
 「志高き産学連携?」という項目を追加しました。


2011年4月28日
 先週、被災地のがれき片付けのボランティア活動から、私の研究室の大学院生が戻ってきました。
 その院生が淡々と語る被災地の悲惨な状況の報告を、胸つぶれる思いで聴きました。
 マスコミの皆さんもそれぞれにがんばってはいらっしゃるのでしょうが、メディアを介した報告と生の報告とでは、その真実味がまったく異なると、あらためて感じました。
 「体力と気力のある人間ができるだけたくさん現場に行き、人海戦術でなんとかすべきだ。」というのがその院生の意見です。


2011年4月26日
 活躍する教え子たちという項目を追加しました。


2011年4月21日
 logを解析していて、「東京大学中須賀研究室 電話番号」と検索してこのサイトに入って来られた方がいらっしゃるのを見つけました。
 試みに、その通り検索エンジンに入力して検索してみますと、なるほど、不思議なことに我々の研究室のトップページが検索結果のかなり上位に出力されますね。でも、我々の研究室のトップページのどこにも中須賀研究室について言及されていません。
 たしかに、昔(1994年から1998年くらいまで)、堀研究室と中須賀研究室は混ざっていて、研究会や合宿も一緒にやっていた時代がありました。検索エンジン恐るべし、そんなことまで知っているのか? と一瞬思ってしまいましたが、まさか、そんなことはないでしょうね。
 我々の研究室のサイトの下の階層のページで、関連研究室として中須賀研究室が紹介されているので、そのためなのでしょうが、それにしても、ちょっと不思議な検索結果ではあります。
 そういえば、Rails, MySQLで検索してこの堀浩一の世界のRails + MySQLというページに入って来られる方がたくさんいらっしゃったのですが、数日前からぱったりとそれがなくなりました。
 検索エンジンで、Rails, MySQLで検索してみると、以前は出力されていた僕のページが今は出力されないようです。
 これまた、どういうアルゴリズムで検索エンジンが検索結果の出力を変化させているのか、なかなか興味深いところです。
 今のところ、中身の有用性を賢く判断しているわけではない、というのは確かだと思います。それをやりたければ、我々人工知能研究者の出番ということになります。有用性の判断という研究はまだ見たことがありませんが、信頼度の判断という研究はすでになされています。


2011年4月20日
 「科学技術」か「科学・技術」か、という項目を追加しました。


2011年4月19日
 技術屋の浅知恵に過ぎないかもしれませんが、この震災をきっかけに、今、真剣に検討すべきことの一つは、首都機能の分散、および首都機能のバックアップ体制の確立ではないかと思います。ずっと議論されてきたことなのでしょうが、今ならば皆が我が事と受け止めそうな気が致します。
 たとえば、国会を被災地の東北に移転する、というのはいかがでしょう。震災からの単なる復旧ではなく理想的な復興を考えるというのであれば、その一つのヒントになるのではないかと思います。


2011年4月18日
 僕の学生時代、1970年代後半から80年代前半には、山手線の電車にまだ冷房は入っていませんでした。駒場の教養学部に通う京王帝都井の頭線は、半分くらいが冷房車でしたでしょうか。冷房の入っていない井の頭線の電車は、緑色の古い車体でした。学生たちは、「あー、グリーン車だ、残念」などと言っておりました。
 大学の教室にももちろん冷房は入っていませんでした。大学院生が研究に従事する研究室で冷房が入っていたのは、半分くらいでしょうか。金持ちの研究室とそうでない研究室の差というのもあったでしょうが、教授がご自分の信念として、「研究室や自分の教授室に冷房なんかいらん。扇風機で十分。」とおっしゃる場合も少なくなかったようです。
 2009年の1月に、頼まれて、インドのIIITジャバルプールという大学で1週間の集中講義をしてきたのですが、講義中や会議中に時々停電しました。僕は講義中に停電すると最初はちょっとあわてましたが、慣れると何とも思わなくなってしまいました。学生たちは実に熱心に講義に参加してくれて、その集中力と熱意はすばらしいものでした。(IIITの名誉のために付け加えると、計算機室にはちゃんと無停電電源装置が備えられていました。)
 日本はいつのまにか豊かになって、同時に、ひ弱になってしまっていたかもしれませんね。この夏、なんとか冷房無しでがんばってみたら、案外、来年以降も冷房無しで平気になるのかもしれない、などとも思います。


2011年4月14日
 このサイトでの人気ストーリーという項目を更新しました。


2011年4月11日
 今回の地震と津波が「想定外」であったというのは、まったく許せない言い訳だ、という批判が強くなってきております。私は、その批判は正しいと思います。
 システム屋の感性からすれば、今回の事態は「想定内」であるべきだったと思います。
 が、事故が起こったあとに批判することは誰にでもできることです。この機会に、今あまり問題にされていない他の「想定外」扱いの問題も、見直してみてはいかがでしょうか。
 ソフトウェアの二千年問題の時、誰も一万年問題を口にしませんでした。一応、私は、「この際、プログラムの年号の変数の桁数をさらにもう一桁増やして一万年問題にも対処しておいたらどうかな」と、言ってみましたが、今後八千年使われるソフトなんか無いよ、と皆が冗談扱いにしかしませんでした。まあ、私も冗談でしたが、二千年問題の時に一万年問題に想像を巡らすのが、システム屋の正しい感性だろうとは思います。
 今回の震災でtwitterが役に立ったので、役所でもtwitterを使うことの検討を始めるという記事を目にしました。しかし、システム屋ならば、twitterが高信頼度のシステムだとは誰も思っていないはずだと思います。いつ無くなったり死んだりしてもおかしくないシステムに頼ろうなんて、馬鹿げています。本気でtwitterのようなシステムを災害対策に使いたいのならば、強固なシステムを自分たちで構築すべきだと思います。
 金融オンラインシステムはいつ死んでもおかしくないと、システム屋さんたちは昔から言っていました。これは、あっさりと実際に起こってしまいました。
 インターネットもいつ死んでもおかしくないシステムです。ネットワーク屋さんたちが、ぎりぎりのところで日々がんばっています。
 学術情報の流通も危機に瀕しています。これは知っている人しか知らない大問題なので、あらためてきちんと書かせていただきたいと思います
 そのほかにも、知っている人だけが知っている「想定外」扱いの問題がたくさんありそうです。
 今回の原子力発電所の事故はかなり単純な失敗だと言ってよいのではないかと思いますが、今後起こる「想定外」の問題の多くは、システムが大規模で複雑になっていることに起因する問題で、人間による手作業だけでは防いだり対処したりすることが難しい恐れがあります。おそらくは、そこに、発想支援やデータマイニングやオントロジーなどの人工知能の研究成果を統合したシステムを用いざるをえないのではないかと思います。かつて我々のグループが提案した大規模複雑システムの設計と運用および失敗防止のための人工知能システムの研究プロジェクトには予算がつきませんでしたが、予算が無くても、できるところからもう一度始めてみたいと思います。


2011年4月11日
 「堀研究室所属を希望する皆さんへ」という項目を追加しました。


2011年4月8日
 「文理融合研究」という項目と、「CRESTプロジェクト「情報があふれる社会から表現が編みあがる社会へ」」という項目を追加しました。


2011年4月6日
 日本ロボット学会などから、
  「東日本大震災およびそれに伴う福島原子力災害に対する日本のロボット技術の適用に関する声明」
というのが出されました。
http://www.rsj.or.jp/shinsai/RoboticsTF_1.pdf


2011年4月5日
 読者の皆さんがどういう目的でこのサイトを訪れてくださっているのかを知りたいと思い、ログ解析プログラムに機能を追加して、GoogleやYahoo!の検索エンジンから訪問した読者が検索エンジンに入力していた検索キーワードを抽出できるようにしてみました。(僕は、これまでWebプログラミングをあまりやってこなかったので、そのあたりのテクニックに詳しくなかったのですが、apacheのログの設定をちょっと調べたら、案外簡単に作れちゃいました。)(apache2のhttpd.confでreferrerをlogに吐くように変更:
CustomLog "logs/access_log" commonをコメントアウトし、
CustomLog "logs/access_log" combinedを生かす。
GoogleやYahoo!がreferrerとなっている行をログから抽出し、その中の検索キーワードの文字列を、 rubyのURI.decodeを使ってdecode。)
 さらに、読者の皆さんの検索キーワードをこのサイトの文脈処理に組み込むことを検討しようかとも思ったのですが、いろいろと考えた末に、それはやらないことにしました。
 ユーザの行動履歴の活用は、Web広告のシステムやrecommendation systemなどの領域において盛んに研究されています。が、僕はこのサイトをrecommendation systemの一種にしたくはありません。
 また、「いいね」ボタンやコメント機能をつけて、social networkシステムの一種にすることもしたくありません。
 recommendation systemやsocial network systemの研究は、若い元気の良い研究者の皆さんにお任せしたいと思います。(2013年5月6日追記: いいねボタンをつけたくないと書いた時から2年経ち、考えるところあって、「いいね!」ボタンを付けることにしてみました。)
 では、僕がこのサイトをどういう世界にしたいかと申しますと、そうですね、あえて一言で言えば、「多重文脈の折り重なったひとりごとの世界」でしょうか。。。


2011年4月3日
 ふだんはMacで仕事しているのですが、自作のソフトのWindows環境での動作確認等のために使っているWindowsノートPCが、突然落ちてPAGE_FAULT_IN_NONPAGED_AREA
というブルースクリーンを表示するようになってしまいました。うー、ブルースクリーンか、とうんざりしながら、解決方法を検索しました。
 最近ハードやソフトをインストールした覚えはないので、
http://windows.microsoft.com/en-US/windows7/Resolving-stop-blue-screen-errors-in-Windows-7
を参考に、チェックディスクとメモリ診断をやってみたところ、メモリで問題検出。
 増設メモリを抜いてみたら、正常に戻りました。


2011年4月1日
 飛行機はたまに落ちますが、飛行機は作られつづけ人々は飛行機に乗りつづけています。自動車は毎年国内だけで何千もの人を殺していますが、自動車は作られつづけ人々は自動車に乗りつづけています。

 それと同様に、今回の原子力発電所の事故の後も原子力発電所が作られつづけるということは、ありうるでしょうか?

 私自身を含めた一般の人々の素朴な感情として、それはありえないだろうと思います。

 これは、科学的な安全性の問題ではなく、人々と技術の間の信頼関係の問題です。
自動車の場合、人々はどういう使い方をすればどれだけ危険でどういう範囲では安全かをだいたい知っています。
航空工学の専門家は、飛行機が「絶対安全」だと言ったことはなく、旅客機の事故の確率はこれだけ、軍用機の事故の確率はこれだけ、と公表しています。
一般の人々が、その確率を体感的に納得しているとは言えないと思いますが、でも、過去の飛行機事故の例などから、飛行機の怖さはこの程度とだいたいは納得して、飛行機に乗っていると思われます。

 それらと違って、どういうわけか、原子力発電所の場合は、「絶対安全」だと人々には伝えられてきました。科学技術の世界で「絶対」などということがありうるはずがなく、おそらくは、技術者は正直に確率を言っていたのではないかと思うのですが、電力会社の経営陣も政府も、「絶対安全」と言い切ってしまっていたようですよね。少なくとも、人々はそう言われてきたと思っています。

 人間どうしの信頼関係と同様、人々と技術の間においても、いったんこわれてしまった信頼関係を取り戻すことは容易でないだろうと思います。裏切られたという思いが強ければ強いほど信頼関係の回復は難しいと思います。


2011年4月1日
 ふだんはFirefoxとSafariを使っているのですが、さっき念のためにIEでこのサイトを見てみたらあまりにも醜かったので、少しだけcssファイルをいじってみました。


2011年3月31日
 KNCの原理という項目で、plugとsocketというキーワードベクトルについて言及しましたが、その理論的な意味について考え直しているところです。自分専用の発想支援ツールの場合と不特定多数の人に公開するシステムの場合とで、同じなのか違うのか。。。


2011年3月30日
 アクセスログを解析するプログラムを、昨日から今日にかけてささっと作りました。
「このサイトでの人気ストーリー」という項目に解析結果の一部を載せました。


2011年3月29日
 せっかくこのKNC11を公開した以上、コンテンツを充実させなければいけないのですが、アクセスログを解析するプログラムの作成にとりかかってしまいました。すみません、コンテンツの充実は、ちょっとおあずけです。つい、文章書きよりも、プログラミングに走ってしまいます。


2011年3月29日
 アクセスログをざっと見てみると、このサイトには、僕が想定していたのとはかなり違うアクセスがなされているようです。僕の頭の中のメインストーリーとは異なるサブストーリーが読まれているようです。なんだか面白そうなので、その解析のためのプログラムを作らなくては。(特別なログは何もとっておりませんので、ご安心ください。httpサーバ標準のアクセスログを見ているだけです。)


        堀 浩一 (東京大学)



Author: Koichi Hori


堀浩一の紹介

堀浩一の紹介:
(これは著者が手で作成した空間です)
(上の空間の中でクリックしていただけますと、各項目にアクセスできます。)
(「堀 浩一」という項目から始めて、関連する話題を、ざっとではありますが、抽象的な問題は右へ、具体的な問題は左へ、一般的な話題は上へ、人工知能研究関連の話題は下へ、という方針で、配置してみました。ただし、すべての項目の配置がその方針を満たしているわけではありません。)

堀浩一の略歴と連絡先は「堀 浩一」にあります。 詳細な履歴は「堀 浩一 詳細履歴」にあります。
たまに「堀 浩一 の ひとりごと」を更新しています。なぜかこのひとりごとへのアクセスが比較的多いのですが、読んで下さっている皆様に感謝申し上げます。
堀は人工知能の研究者です。時々堀洋一先生と間違われることがありますが、 「堀洋一さんと堀浩一は別人です」
堀研究室は東京大学大学院工学系研究科航空宇宙工学専攻にあります。 研究室では、航空宇宙工学への人工知能の応用だけでなく、学生諸君の自主的なテーマ設定を尊重して、幅広くいろいろなテーマの研究を行っています(「堀研究室所属を希望する皆さんへ」「活躍する教え子たち」)。

私自身は、人工知能研究の中でもやや特殊な「創造活動支援システムの研究」を行ってきました。 なんだか怪しい響きの研究テーマだと思われるかもしれませんが、いつのまにか仲間も増えました(「ことばと発想のテクノロジー 」)。
創造活動支援システムの一例として「堀の自作ソフトKNC(Knowledge Nebula Crystallizer)」を作りつづけています。このサイトもそのKNCで動いています。「KNC(Knowledge Nebula Crystallizer)の原理 」にやや専門的な説明を書きました。このサイトを動かしているKNCは「Rails + MySQL」で実装しています。

研究者が何をめざして研究をおこなっているのかの本音について、「事業仕分けをきっかけに思う」に書きました。研究者の本音を身も蓋もない言い方で言ってしまうならば、面白くて仕方ないので研究しているということになるでしょう。
しかし、学問ごとに目標とするところに少しずつ違いはあって、 我々工学の研究者がめざしているのは、おおげさな言い方をするならば、人類の幸福です(「工学と理学の違い」)。
理想と現実の狭間で、研究をどうやって評価すべきかは、重要で難しい問題です(「評価」から「解説」へ 」「人工知能学会創立25周年にあたって 」)。
できれば、産学連携も、理想に向かって「志高き産学連携」を行いたいものです。

最近再び人工知能の研究が注目されるようになってきています。 そもそも知識とは何なのだろうという問題については、昔々現代思想誌にも書かせていただいたことがあります(「知識の姿 − 人工知能研究者の立場から」)。
「機械が心を持つようになるか?」 「人工知能倫理(AI Ethics)について」 「機械との競争について」 「集合知とは何か」等々、私も考え続けています。
学会の果たすべき役割についても考え直す必要がありそうです(「人工知能学会創立25周年にあたって 」)。
それらすべてに関係する「人工知能とは」という解説記事を書きましたので、それも掲載しておきます。


最終的に私がめざしているのは、恩師からの宿題の「文化国家としての技術立国 」に少しでも貢献することです。


 

現在の御興味の推定位置と御興味の移動予測

(これは、トピック間のキーワードの共有度とユーザの行動履歴をもとに自動的に作成した空間です。)

御興味移動先予測地点に近い項目から遠い項目まで一覧(距離):


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現在位置 x = 0.28, y = 0.82
現在誤差 sigma = 0.0
予測位置 x = 0.28, y = 0.82
予測誤差 sigma = 0.07


(別の方法で計算した)現在の文脈で関連しそうな項目(関連度):
relevant in the current context (relevance score):


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